「物価」って何?!?!

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   ブレークスルー経済学 by T.Maeda
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『「物価」って何?!?!』

市場取引という場合、需要サイドだけでは「取引」は成立しません。市場が成り立つには「需要」と「供給」が一致する必要があり、その時に重要なのが「値段(物価)」です。

※一般に「需要」は「値段(物価)」が低いほど増え、「供給」は「値段(物価)」が高いほど増加するものと考えられます。

とはいえ、「物価」というモノは意外に厄介なものです。

その原因は「期待」というモノ、または、「予測」というモノが介在するため、「1+1=2」みたいにはいかないところに難しさがあるのです。

また、「物価」を変化させる要因は、モノにより一様ではなく、さらに、変化の伝わり方も様々です。そのため、「どの物価」を言っているのかを理解しないまま議論を進めると、とんでもない誤解を引き起こすことになります。

しかも、どの物価も「瞬時」に伝わるものではなく、時間を置いて変化が起こります。その「時間(の長さ)」が非常に曖昧であり、科学的な分析(実証検証)が難しいのです。

そこで「一般物価」と言う場合、ある特定のモノを指すわけでも、代表的なモノをいうわけでもなく、「おカネの価値との相対価格(そうたいかかく)」として捉えることになっています。

つまり、「おカネの量」との対比で考慮される値として算出されるものが、マクロ的な意味での「一般物価」「モノの値段」であると考えられています。

ということで、「おカネの量」が「増加」すれば、「おカネの価値」はそれだけ「低下する」ので、相対価格としての「モノの値段(一般物価)」は「高くなる」ということになります(逆は逆)。

ところが上述のとおり、このような変化には時間がかかるため、短期の経済分析では「物価が一定」として考えることが多いのです。

つまり、中央銀行(日銀)がハイパワードマネーを増加させ、それに伴って、マネーストック(これが「おカネ」です)が増加した場合、「市場金利が低下する」と考えるわけですが、これは短期的には(つまり、「物価の変動がない場合」)確からしい分析といえます。

しかし、マネー量が増加した場合、物価が比例的に、しかも、瞬時に上昇するとすれば、実体経済の実物取引は変化せず(つまり、資金ニーズが増加しないので)、(実質的な)取引量は変化しないことになります。

このように「おカネ」は「実際には何もしない」という考え方があり、この考え方を「貨幣ヴェール観」といいます。

このように「経済分析の手法」には「(物価が変化する)長期分析」と「(物価が変化しない)短期分析」があり、主に「短期分析を中心としている」のがケインズの「有効需要の原理」に基づく考え方であり、主に「長期分析を中心としている」のが古典派経済学であると考えられています。

では、実際の経済を分析する場合に、「長期」と「短期」を峻別できるのでしょうか?

これは実際には「無理」です。どこまでが「短期」で、どこからが「長期」というように期間を区切ることはできません。そこに一般の人が「経済学の曖昧さ」みたいなものを感じるのだと思います(一応、「1年」という期間で区切ることが多いのですが、これは「経済学的に意味がある」ものではなく、実務的な観点での取り決めに過ぎません)。

しかし、この「長期」と「短期」を混同すると体系的な考え方ができなくなるので、「期待」というものを想定することにより、「長期」と「短期」を結びつけるやり方が一般に行われています。

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takuom について

高崎商科大学 商学部/大学院商学研究科 教授、早稲田大学 理工学研究所 客員研究員/エコノミスト/大学教員/金融・ファイナンス、経済統計、非営利事業、環境政策/天然住宅バンク理事【著書】銀行システムの仕組みと理論(単著)、おカネが変われば世界も変わる(共著) 【お願い】執筆、講演等のご依頼は下記(メール)まで。メール:tkmaeda1963@4月@gmail.com(但し、実際に送信する際には「@4月@」を「@」に変更してください)
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